リハビリ病院に転院する日、双子との面会許可をもらい産後初めてNICUに行った。手術室で保育器に入った二人に触れて、離れ離れになってから18日ぶりの再開だった。
保育器に入った二人はとても小さかった。
「小さく産んでしまってごめんね」という気持ちと「私が病気になる直前に自分たちで生まれてきてくれて、助けてくれてありがとう」という気持ち、特に後者が大きかった。
双子と会った瞬間「こんな身体で生きていくのは辛い」なんて気持ちは消え去った。生きててよかったとしか思えなかった。
どんな身体になっても、双子を育てていくという覚悟ができた日になった。何があってもあなたたちを守って、大切に育てていくからね。大好きだよ👶🏻👶🏻
急性期病院でのリハビリは平日5日間、PTとOT各30分という短いものだった。
PTでは臥床した状態での脚の筋トレ、座位での筋トレ、歩行訓練をした。この時はまだ産後間もないこともあり、体力ガタ落ち血圧低すぎ…といった感じで5分歩いてくたばってた。
左半身の温痛覚障害もあるから、筆とか尖った棒で触られてる感覚をチェックした。尖った棒（普通はつつかれると痛い）で触られても、痛覚だけすっぽ抜けてしまってるから不思議。
OTでは腕、指先の動きのリハビリをした。
初日は動きの確認とお手玉を掴んで桶に入れるリハビリ。しかしお手玉が掴めない。リハの先生に手で掴む形を補助してもらって、テーブルの上に置いてある桶にお手玉を入れる。それだけの動作が思うように出来なかった。これが本当に悔しくてリハ中に泣いた。
ステロイドパルスで脊髄の炎症は引き始めて、日に日に動かせる範囲が広がって来た。
検査を沢山して脊髄炎の原因を調べたけど、結局これと言って原因ははっきりせず…治療もステロイドパルスの他に適応となるものもないから、とにかくリハビリあるのみ！！！という事で発症19日目でリハビリ病院へ転院した🏥
転院時の症状
【手】
・肘が曲がった状態で前ならえからのバンザイ🙌ができる
・何とかペンを持って（正しい持ち方ではない）弱々しく字を書ける
・箸持てない
・ドライヤーは左手でしか持てない
【脚】
・杖なしでなんとか歩行（たまに膝抜ける）
【知覚麻痺】
・左半身（胸から下）の温痛覚がわからない
・左手、腕の一部だけ温度がわかる
・左上肢は鈍いけど痛覚がある
・左手は常に冷たい感覚、左脚は常に熱い感覚があって不快
・知覚はあるけど全体的に膜一枚貼ってる感じ
【排泄障害】
・尿意が遠くなった
・便意はわかるけど踏ん張る力がとにかく弱い（あと緩くないと踏ん張れないからマグミット必須）
あと帝王切開の傷跡も（右側だけ）まだ痛かった😇
そんなこんなであっという間に転院した
HCUから脳神経内科の一般病棟へ移動した。
スマホで夫や母と連絡が取れるようになった。双子は無事に最初の3日間を乗り越えてくれたと聞いて安心した。
病棟に移動してすぐの頃はトイレまで車椅子で移動するのにナースコールが必要だった。
すぐにリハビリが始まって、手すりにつかまってゆっくりと歩けるようになった。
右手は指が少し動くようになって、肘も少し曲がるようになった。
食事はスプーンを持つことも出来ないから左手での生活がメインになった。
ステロイドパルスが始まってから、少しずつ動かせる範囲が広がってきていた。病状は回復傾向だった。でも産後で悪露は出るし、傷も痛いし、右半身は思うように動かない。現状を受け入れる事が出来なくて、悔しくて怖くて毎日泣いた。
本当なら今頃、毎日NICUに行って双子に搾乳した母乳を届けていたんだ。
なんで私がこんな病気にならなきゃいけないの？
これから夫と力を合わせて双子を育てなきゃいけないのに…
私はまた歩けるようになるの？
車椅子生活になるの？
育児、仕事はどうするの！？
こんな事を起きてる間ずーっと考えた。
産後（発症後）1週間はろくに寝てなかったと思う。
SNSで友達の投稿を見るのも辛かったし、出産した友達が楽しそうに育児してるのを見るのも辛かった。メンタルはどんどん落ち込んで「死にたくないけど、こんな身体で生きているのは辛い」（この時はお手玉すら握れなかった）こんな言葉を看護師さんに吐き出して出てしまうほど落ち込んだ。ただ不思議とこの日を境にメンタルは徐々に回復しはじめた。
双子が生まれた日に右半身麻痺になった。
2023年3月18日 am1:35
緊急帝王切開で双子の女の子を出産した。
予定より2ヶ月早く生まれた二人は1388gと1073gの小さな身体で、力いっぱい泣いてくれた。お腹から出てすぐ保育器に入れられた二人を交互に触らせてもらい、双子はすぐにNICUへ。私は部屋に帰って休んだ。
pm13:00（たしかこのくらいの時間）
助産師さんに搾乳してもらったり、痛み止めの点滴してもらって過ごしてた。寝ているだけでも帝王切開の創部痛と後陣痛は辛かった。
寝ていたら突然首の後ろが痛み出した。次第に右手足が麻痺して動かなくなってすぐにナースコールした。脳梗塞疑いで大学病院に緊急搬送された。
意識はあったし会話もできた。今思えば右手足麻痺してるのに、よくあれだけ冷静でいられたなと思う…
色々と検査をしてHCUに入院になった。部屋に来た夫には「すぐ良くなるから」と笑って話した。
すぐに脳梗塞の治療で点滴が始まった。指先までピクリとも動かない手足は鉛のように重くて、自分のものと思えない感覚だった。左半身はビリビリ痺れて、左の額には沢山汗をかいた。
家族が帰って一人になった途端、不安に襲われた。「このまま右半身が動かなくなったらどうなるの？」考えれば考えるほど怖くなって、涙が出て全く眠れなかった。
HCUでは携帯も使えないからNICUにいる双子の様子もわからなくて不安だった。早産のリスクは事前に聞いていて「最初の3日間が山です」と言われていた。まさか自分までこんな状態になるとは…HCUで過ごした3日間はとにかく双子の無事を祈った。
この3日間で全く動かなかった脚はなんとか膝立てが出来るくらいになった。
検査の結果で脊髄炎を起こしていることがわかった。
実際のMRI画像↓
この白い部分が炎症で、脊髄の右側に強い炎症を起こしている。右側の炎症だから右側が麻痺して、左半身は痺れて感覚障害が起きていると説明された。
ステロイドパルス療法を3クールやることになって、HCUから一般病棟に移った。
